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重症乾癬にたいする分子標的薬療法 (3)

こんにちは. 京阪本線野江駅, JRおおさか東線野江駅より徒歩2分 のえ皮フ科クリニックです.

乾癬では従来光線療法(以前はソラレンという光感作物質(光線に過敏になる薬)を塗ったり, 内服したりしてからUVAを照射するPUVA療法という方法が用いられていましたが, 1990年ごろからナローバンドUVB照射療法がよく用いられるようになり現在に至ります. 紫外線療法の最大の問題は長い将来に皮膚がんを生じる可能性があるということでしょう.

次にもっとも一般的に用いられているものとしてステロイドの外用剤があります. 軽症~中等症程度の乾癬であれば外用でコントロールできること多いのですが, やはり問題点として皮膚の菲薄化(皮膚が薄くなる), 塗布部位ににきびのような発疹ができるなどの副作用を生じることが挙げられます. 外用ステロイド剤の副作用を軽減させる目的で活性型ビタミンD3軟膏やローションがあります. この方法では塗布後に日光に当たると塗布部位に一過性の色紙沈着をきたしやすい以外はあまり副作用を生じないのですが, やはり重症の乾癬にたいする治療薬としては効果が弱いきらいがあります. 内服薬として現在頻用されているものとしてシクロスポリンという免疫抑制剤があります. シクロスポリンを十分量投与すると重症乾癬といえどもコントロールできうるのですが, 腎機能低下を生じることがありますので細心の注意を要します. 今世紀初頭からより効果の高く副作用の少ない治療薬が待ち望まれていたのです.