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乾癬について(15) 生物学的製剤の使用上の提言-結核以外の感染症

こんにちは. 京阪本線野江駅, JRおおさか東線野江駅より徒歩2分 のえ皮フ科クリニックです。

乾癬の生物学的製剤使用上の注意事項として「事前の活動性結核のルールアウト(除外診断)」という項目があります。結核は長期にわたってゆっくり増殖しある細菌数に達したとき肺などに結核病巣を呈します。これを潜在性結核感染とよびます。病巣は主に肺に形成されますので定期的に胸部X線撮影を行うことにより, 生物学的製剤による活動性結核が否定されます。ここでは結核に類似しているが結核とは相違する細菌が生物学的製剤の使用中に生じた例を文献的に紹介します。その菌は, mycobacterium (M.) haemophilumとよばれ非結核性抗酸菌症の仲間です。ちなみに結核菌は結核性抗酸菌症と呼ぶこともできますので, 遺伝子的に非常に近い親戚と呼べるでしょう。

M. haemophilumは通常の培養条件では増えず, また30℃程度で増殖する特性から身体深部である肺では増殖しにくく, 顔や末梢(四肢など)比較的体温の低い部位で増殖します。よって胸部X線撮影では予見できない可能性が高いと言えます。文献から引いてきた写真を示します。

mycobacterium (M.) haemophilumの腕, 眼球, 顎下リンパ節での増殖を認めます。

上のCT画像では大脳内での同菌の増殖を認めます。おそらく皮膚で増殖した菌が脳室内に侵入し病巣を形成したものと考えます。

mycobacterium (M.) haemophilumは皮膚から侵入し初期の病巣を形成することが多いと考えられますので, X線撮影のみに頼るのではなく皮膚科医が積極的に診て除外すべきでしょう。