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乾癬について(18) 乾癬の病型 (3) -膿疱性乾癬

こんにちは. 京阪本線野江駅, JRおおさか東線野江駅より徒歩2分 のえ皮フ科クリニックです。

膿疱性乾癬は20世紀後半ごろ, 私が医師になったころは極めて劇症の皮膚疾患で時として死に至るとされていました。シクロスポリンが開発されてからは致死性のリスクは減ったものの依然劇症の皮膚炎であることに変わりはありません。

図に示しましたように, 膿疱性乾癬は抗IL-17に反応するとされ, とするとサイトカイン経路の上流に位置するIL-23抗体にも反応すると考えられ, 実際多くの生物学的製剤が適応があります。IL-36は聞きなれないサイトカインなのですが, 主に皮膚で機能し乾癬の病変部皮膚で認められます。IL-36はIL-1ファミリーのメンバーとされ, 炎症性サイトカインとして機能するとされます。ここでいう炎症性サイトカインとは局所の炎症に積極的に関与するサイトカインを言い, IL-4のような免疫応答(免疫細胞の成熟や分化に関係し, 直接的に炎症に関係するわけではない)に主に関与するサイトカインとは異なります。IL-36はTリンパ球の増殖を促しTリンパ球からのIL-2の分泌を促進します。1980年代はこういった経路をautocrine, paracrineなどという単語で表現しましたが, 私見ですが皮膚局所での乾癬応答性Tリンパ球の増殖を促し疾患の増悪に関係するのかもしれませんね。