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乾癬について(12) 表皮における乾癬の反応の完成

こんにちは. 京阪本線野江駅, JRおおさか東線野江駅より徒歩2分 のえ皮フ科クリニックです。

前回の続きです. 表皮に由来する乾癬の原因抗原を受け取ったpDC(形質細胞状樹状細胞)はI型インターフェロンを放出し, その影響下に免疫の中心的役割を果たすmDC(骨髄細胞状樹状細胞)の分化・成熟を促します(次の図)。

その結果成熟したmDCはTh1細胞とTh17細胞の成熟を誘導し, 各々の細胞(特にTh17細胞)が表皮における乾癬の発疹(表皮が分厚くなる, 赤み(これは真皮の血管新生の結果ですが))を形作ります。

下に完成した乾癬の病態図を示します。

これはあくまで免疫的側面から切り取った乾癬の病態を模式化したものですが, 現在生物学的製剤(抗IL-17や抗IL-23)が効果を示していることから考えると, 上記の免疫経路はそれなりの合理性はあると考えます。結果として次の図に示す乾癬の皮膚が完成するわけでしょう(下に病理所見を示します)。

左図(健常皮膚)での赤く染まっている層(表皮です)が右図の乾癬では(薄く染まって見えますが)分厚くなっているのが見て取れます。