鳥ダニについて(3):鑑別すべき疾患
- 2022年11月10日
- 皮膚科
こんにちは。京阪本線野江駅、おおさか東線野江駅から徒歩3分 のえ皮膚科クリニックです。本日も鳥ダニの症状などについて記してゆきます。
鳥ダニと鑑別すべき疾患としては次のものが挙げられます。
1)トコジラミによる刺傷:トコジラミとは南京虫として一般に知られてます。南京虫はよる吸血を行います。蚊と違って露出部のみ刺すわけではありませんので鳥ダニと似ています。
2)のみ刺傷:ノミも下の図のように虫刺されの発疹を作ります。しかしノミは一般にネコ、イヌあるいはヒトから伝播されます。
https://www.fleabites.net/ より転載。
3)疥癬: 寝たきりの方などの施設で流行する皮膚症で、疥癬中のヒト皮膚への寄生がきっかけとなります。手指や腋窩などに寄生し疥癬トンネルを掘り、全身に強いかゆみを生じます。ただし疥癬は鳥ダニやのみと違い吸血せず、皮膚に穴を掘り(疥癬トンネル)卵を産む皮膚寄生虫です。
https://www.statpearls.com/articlelibrary/viewarticle/28727/ より転載。
4)シラミ刺傷: シラミは小さく翅のない昆虫で人のどの部位もさすことができますが、特に頭に寄生し毛に産卵し多くの場合痒みを生じます。本来牛のシラミが最も問題になるのですが、都市部ではヒト→ヒトの感染経路をとります。
5)じんましん:鳥ダニの皮疹はかゆみが強いためじんましんと混同されます。しかしじんましんは皮疹が出現後数時間でいったん消褪しますが、鳥ダニ症の多くはそのまま持続します。
https://dontforgetthebubbles.com/urticaria/ より転載。
以上本日は鳥ダニ症との鑑別すべき疾患を記しました。