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ダニアレルギーとアトピー性皮膚炎(その5)

こんにちは。京阪本線野江駅 JRおおさか東線野江駅から徒歩3分 のえ皮フ科クリニックです。

今回はダニアレルギーの診断に関して説明いたします。アレルギー検査上コナヒョウヒダニやダニヒョウヒダニ特異的IgEの数値の上昇を認めればダニアレルギーであると言えます。しかしながらダニアレルゲンの種類を詳細を検討しないと偽の陽性を抽出してしまう可能性があります。例えば、同じヒョウヒダニでもDer p11、Der p 18(ダニの虫体成分)はアトピー性皮膚炎で特異的IgEの亢進を認める一方、ダニのフン(Der p 1、Der p 2、Der p 5、Der p 23)は呼吸器系アレルギーでの感作が主です。さらに重症アトピー性皮膚炎患者では多種のアレルゲンに感作を受ける傾向があり、これはスクリーニング検査項目以外にもマラセチア菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌などを含みます。さらに重症のアトピー性皮膚炎では軽症例に比べ、より多くの異なったアレルゲンに対するIgE感作を認める傾向があります。この傾向は呼吸器系アレルギーでも認められ、鼻炎と喘息を持つ患者のほうが、鼻炎のみの患者よりも多種のアレルゲン特異的IgEの亢進を認めます。ただ多種のアレルゲンへの反応が、すなわちアトピー性皮膚炎の病態を説明するものになるかどうかは注意深く検討する必要があります。食物アレルゲンの項で説明したように、実際の症状を想起して原因を推定してゆく必要があるでしょう。