ダニアレルギーとアトピー性皮膚炎(その4)
- 2022年3月2日
- 皮膚科
こんにちは。京阪本線野江駅 JRおおさか東線野江駅から徒歩3分 のえ皮フ科クリニックです。
昨日出てきた用語「PAR」について説明させていただきます。PARは、外界から入った刺激(外因性;ハウスダストやヒョウヒダニ、細菌、真菌など)により表皮の細胞や免疫担当細胞を介しプロテアーゼ(タンパク融解酵素)を活性化し引き起こされる、皮膚における炎症や痒みに役割を演じるタンパクです。
詳述します。外来からの刺激や二次性に活性化される内因性のプロテアーゼの刺激により、一次的求心性神経線維の神経終末のPAR-2が活性化します。同時に、プロテアーゼは表皮細胞や真皮の血管内皮細胞のPAR-2を活性化し、サイトカイン、ケモカイン、神経性ペプチドや活性酸素などの放出を促します。こういった物質(メディエーター)の放出は知覚神経上の高親和性受容体を活性化し、かゆみや炎症反応を増幅します。この経路はIgEを介さず起こりえますので、非アレルギー性炎症反応を説明するものでます。
このようにアトピー性皮膚炎は同じヒョウヒダニを原因とする場合でもIgEを介するアレルギー性の経路をとる場合や、IgEを介さない非アレルギー性のメカニズムで起こる場合があり単なるかぶれと比べ複雑と考えられます。